ユダヤ人とは、だれか ?
ユダヤ人とは、だれか ?
「ユダヤ」は旧約聖書の「創世記」に登場するヤコブ(アブラハムの孫)の子ユダの子孫であることを示す名称であり、バビロン捕囚以後、イスラエル民族の総称となった。「ユダヤ人とは誰なのか? 」が議論される。ユダヤ教の規定によれば、「母親がユダヤ人である」ことが、ユダヤ人の定義である。現在イスラエルでは「ユダヤ人を母とする者、またはユダヤ教徒」と定義されているが、それほど簡単ではない。
ユダヤ人の定義は、4つである。
1. 母親がユダヤ人であること。
2. ユダヤ教徒または、ユダヤ教に改宗した者。
3. ユダヤ人の共同体と密接に関係している人。例えば、言語や皮ふの色が違っても、シナゴーグ(会堂)の礼拝に集まる人など。
4. ユダヤ人の血をひき、イスラエル国籍を持ち、日常言語にヘブライ語を使う人。
祖国を持たずに各地に離散(デアスポラ)して、共同体を作り、律法を守って暮らすユダヤ人は、周囲の人たちと違う宗教と生活習慣を持つため、古くから差別迫害を受けた。ユダヤ人はゲットー(ユダヤ人居住区)に隔離され、キリスト教徒に禁じられていた金融業などにたずさわる場合が多く、憎悪される集団体迫害を受けることもたびたびであった。その中でも、ナチスによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)は民族の抹殺ともいえるほどの大量の人々が殺されるというユダヤ民族の危機であった。
苦難の歴史を歩んできたユダヤ人は、神がユダヤ民族を必ず救い、イスラエルを回復するというユダヤ教の信仰によって支えられてきた。
この新年が、1948年のイスラエル建国に導いたが、現実にはパレスチナ問題を引き起こすなど新たな問題を生み出している。
終末論
ユダヤ人は国家の滅亡や捕囚などの苦難は、罪を犯したことへの神の罰だと考える。そして、将来必ずこの古い世界は崩壊し、神の審判が下され、神の民が救済されて新しい時代が訪れると信じた。 これを終末論という。
終末論は、ユダヤ人の現実の苦難を希望に変えてね来るべきイスラエルの再建を願う民族主義へとつながっていった。またイスラエルを救済し、新しい時代と世界を支配するメシヤ(救世主)が終末に到来するという考えとも結びついた。
新しい世界では、ユダヤ人だけではなく、全ての人々が唯一の神を信じるようになると考えられている。