およそ、誰れでも必ず強固な”信念”をもたなければなりません。
信念を確立して、これに基ずいて行動を律するとき、はじめて自分自身の生活に秩序が立ち、充実した日々をおくることができます。
学問をして教養を身につけようとする者、また、あるいは試験を突破しようとする者は、自分の現在行なっている勉学方法で励んで行ったならば、かならず高い教養が得られ、あるいは試験に合格することができるという信念をもって当らなければなりません。そうすれば案外容易に目的を達成することができるものです。
確固たる信念をもたず、常に目的を変更し、踏み行く道に自信をもつことができず、その日その日を空費していては到底一つの目的を達成することなどできません。そればかりでなく、そのものの生活は次第に低下して堕落する運命にあるのです。不動の信念の上に心をおいて、一歩一歩と目的への努力を続けるのでなけでなければ 大成は愚か小成 をすら為し得るものではありません。
勉学するということは、ものごとを知ることであることはいうまでもないのですが、それだけでは不十分です。勉学するということは、なにごとにも耐える強じんな精神を培うことでもあります。それなくして決断力も、創造力も、決して生まれてはきません。
東京教育学院に学ばれる諸君は、確固たる信念のもとに、つねに心を励まし、一意専心勉学に邁進されるよう切望してやみません。