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化学の勉強法

1 どうせ勉強するのだから……

 よく「勉強の仕方を教えてほしい」という質問を受けますが、勉強のしかたは個人個人によって異なるので、自分でいろいろ苦労して見つけ出さなければ、他人に聞いても身につきません。受験勉強のテクニックのような、試験時間内にどれだけ多くの問題を解くかというゲームのテクニックであれば、それなりの方法もあるでしょうが、それとて基本的なことを一応習得していなければ問題になりません。
 ではこの基本的なことを学習するとき、どのような態度で勉強すればよいかというと、どうせ勉強するのだから、この際自分のものにしてしまおう、と割り切り、試験で点を取るためといった表面的な勉強に見切りをつけ、学習内容の大筋をつかみ、どのようなことをどのような面から(どのような興味をもって)眺めているのかを学び取ることです。そのためには、細かなことに気を取られず、枝葉を切り落とし、骨格をむき出しにしてみることです。この骨格は決して複雑なものではないので、自分の本当の財産(知恵)となる部分なのです。
 その後その骨格に、ふたたび枝葉をつけなおしてみるのです。この段階で、何が本当に必要な知識であるのかが分かりますから、覚えるべきことは覚えるようにすればよいのです。
 

2 化学で学ぶこと

 化学での学習は、ある物質が何(どんな種類の原子や分子)からできているのか、またそれらの原子や分子の集合体である物質がどのような性質を持っているか、物質と物質の間にはどのような相互作用が働くのか、といったことを問題にしています。しかし、私たちの化学の学習は、世の中に存在するおびただしい数の物質について、既に、知られている多くの知見(実際に見て知ること)を一つ一つ覚えることではありません。これら多くの物質についての知見をもとに、それらの物質の構成成分(原子や分子、それらの集合状態)と性質との間にはどのような関係があるのかについての系統性を学習することなのです。というより、その系統性がなぜ生じるのか、またその系統性を考えるときの基本におくべき考えは何なのか、ということを身につけ、なにか問題が生じたときに、基本となる考えに戻って考え直す事ができる態度を身につけることなのです。
 こう考えてみると、化学の勉強といっても他の教科と別段変ったことはなく、考える材料や話題が物質になっただけのことなのです。
 

3 化学を学習するときの基本となる考え方

 この基本となる考え方というのは、枝葉を落とした骨格の部分のことなのですから、本当は自分で苦労して見つけることが勉強なのであり、そうしなければ身につきません。しかし、それでは話が先に進まないので、その基本となる考え方を記し、いくつかの項目について、その骨格にどのような方針で枝葉をつければよいかを考えてみましょう。
 では、その骨格は何かというと「物質は基本的な小さな粒子からできている」というものでしかありません。この粒子をいろいろな角度から眺め、味わうことが、化学の学習にほかなりません。
 この粒子を眺める角度は、粒子の運動、粒子間に働く力、粒子そのものの性質(電子配置)などがあります。このうち粒子の運動は温度に関係し、粒子間に働く力は粒子の質量や粒子の電気的な性質が関係していますが、それぞれの角度で粒子を眺めた場合、どのような項目がひらけてくるでしょうか。
 粒子の運動(粒子が動きまわろうとする力)と粒子間に働く力にスポットを当てて枝葉をつけたのが「物質の三態」であり、「溶液」の項目です。
 粒子を容器に閉じ込め、容器の大きさ、あるいは粒子の速さと容器への粒子の衝突回数にスポットを当てれば「気体の性質」の項目になります。この考えを溶液にあてはめ、溶液中の溶媒は、溶質粒子を溶液中に気体の粒子のように浮遊させるのみ使われると考えれば、「浸透圧」のファントホッフの法則が導かれます。
 「化学結合」の項目は、粒子(原子)の電子配置、特に最外殻の電子の配置に強く関係しています。これは原子どうしが結びつくときは、まず原子の一番外側の電子の状態が問題になることはうなずけます。この項目では、最外殻には8個の電子までしか存在できないこと、電子はペアを組むと安定するので、最外殻に4つのペアを組んだときが最も安定することを基本に考えればよいのです。したがって、この電子配置を求めて、原子どうしが電子を与えたり、受け取ったり、互いに出しあったりしてこの配置を取ろうとするのです。その結果、原子どうしが結びつくことになるのです。化学反応についても同様なことがいえます。「中和」「酸化・還元」「電気分解」など、化学反応は、原子の組み替えであり、この原子の組み替えが行われるときにも、先の原子の安定性の条件が関与するので、ある反応では電子の授受を伴う場合があります。このように電子の授受が関与する反応が「酸化・還元」反応であり、この電子の授受を反応物質の当事者どうしで行わせず、電子に道草を食わせ、横道を通らせてその電子を利用しようというのが「電池」であり、逆に電子を無理やりに与えようというのが「電気分解」なのです。
 「熱化学」の項目は、原子間の結合を切るのにはエネルギーを放出するという結合エネルギーを柱に考えます。
 「物質の各論」では、覚えることが多いのは事実であるが、周期表と結びつけ、原子の電子配置を意識し、それぞれの反応性や性質に自分なりの理由を考えてほしい。(その理由が合っているか間違ってるかこだわらず、周期表という材料をどのように生かせるかが問題であり、それぞれの物質のバラバラの性質を、いかに統一的に解釈できるかという力が試されている。)
 以上、それぞれの項目で、物質は小さな粒子からできているという基本骨格に、どのような方針で枝葉をつけたらよいかを述べてきました。教科書を、その骨格が、枝葉が見えるまで何回も読み直してください。
 勉強というのは、試験でいい点を取るためだけのものではなく、その後の自分の生活に、そこで学んだ「知恵」が生かせるような勉強の仕方をしてほしいものです。それこそが自分の一生の財産となるのですから。

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