文章が上手になる3つの方法
1 習うより慣れろ。
自分でいいと思う文章や好きな文章をくり返して読むことです。ただ読むだけでなく、できるだけ声を出して読んでください。すると聴覚がリズムを、目が字くばりを自然と覚え込んでいきます。
2 文章でスケッチしよう。
いま見た風景、人物、出来ごとなど、目にふれたものを文字で書き表してみることです。たとえば電車に乗る。向かいの座席に座っている人物の顔、服装、年齢などを基に、その人物の家族、生活、仕事などまで想像を働かせてみましょう。ただ電車の中でボケっとしていた今までと、物の見方がまったく違ってくるハズです。……ちょっと昔なら、電車の中は人生の縮図というか、いろいろなことを想像させる生活感の刻み込まれた顔がありました。しかし今は、向かいの座席に座っている人の10人中8人はスマホをいじっていませんか。目はうつろ、無表情で生気がありません。仕事に疲れ、ゲームに疲れて不機嫌にさえ見えます。――これも現代を写している鏡、と思えば書く題材の一つです。
3 いつも 何かを書くこと。
私たちは作家やジャーナリストではないから、いつも何かを書き続けるのは無理な話です。でも、日記ならだれでも書けると思います。そのつけ方はいろいろあります。メモ風、俳句日記、あるいは予定表だけつづる仕事日記でもいいのです。とにかく日記をつけていると、文章を書くことがオックウでなくなるから不思議です。
日記をつけるということは、文章が上手になるためばかりではありません。目的は別にあります。いうならば一日一日の区切りをつけていく、生活の句読点という意味です。人生は毎日毎日の連続、その総決算が人生ということではないでしょうか。そう考えてみると、毎日毎日を充実させて過ごした者が、結局は、真の意味においてこの世の勝者ということになるのではないでしょうか。
日記はこの意味で、今日の24時間の使い方の予定表ともなるワケです。日記の意味をこんな風に考えると、一日のうち30分を日記のためにさくことが、いかに有意義なことかおわかりいただけると思います。