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画像:良寛禅師の教え

手書き文字はまごころをこめて
書きましょう!

 字を手習いするということは、ただ字を書くということとは違います。手習いは、字を習うことであって、字を覚えることではありません。
 「習」という字は、ひな鳥が自分のカで飛べるようになるために、巣の中でくり返しくり返し羽を動かして、飛び上がる練習をしている姿を現わした字です。習うということは、同じ動作をくり返しくり返しすることなのです。
 手本を見てその一字一字を、手本と同じように書けるまで、くり返し手習いすることであって、単に字数を書くのではありません。
 また、たとえ手本を見て書いても、そこにある文字・文章を、ただ別な紙に書きうつすだけでは、これは「字を書いた」にすぎず、これもやはり手習いをしたことにはなりません。 手本を見てそこに書いてある文字の一字一字、いや一点一画をしっかり観察して、手本の字の形を真似て書く努力をすることでなければなりません。この「 観察と、真似て書く努力 」こそが、手習いの基本的姿勢で、このうちどちらかの一つが欠けても手習いしたことにはなりません。この手本を真似て書くことも広義の臨書です。
 
 手習いする人の心がけとして、最も大切なことは、まじめに、しかも謙虚な気持でペンを執るということです。この心がけは、書かれた字の出来不出来以前の問題で、このような気持になれない人は、すでに手習いする資格のない人だといえるでしょう。
 禅師で、能書家としてみなさんもよくご存知の良寛さんについて、こんな逸話があります。良寛さんは、江戸時代末期の人で、越後の国上村国上山の五合庵に定住していたのですが、あるとき土地のお百姓さんから、「和尚さんは、字がうめえと評判ですが、和尚さんの書く字は、わしらにはむずかしくてとても読めないで、ひとつわしらにもよく読めるやさしい字を書いてくだせえ」と頼まれました。良寛さんは「そうですか.ではこれならよいでしょう」といって、漢数字の「一二三」と、ひらがなの「いろは」という三文字づつを書いて与えました。この双幅はいまも残っていますが、二枚とも実にまじめに書かれています。
 しかも、それぞれに「釈良寛書」「沙門良寛書」とつつましく落款(名前のこと)まで書き添えられています。
 
 ところで、普通の人ならば、こんな時は相手を意識して適当に書いたり、「これならお前たちにも読めるだろう」というような、さげすみの態度や馬鹿にした気持になってしまうものですが、良寛さんの書には、いささかもそんな気ぶりは見えません。このような生一本なまでの誠実さと、すなおな明るさ、そして人間的な暖か味といったようなものが、すべて、良寛禅師独特の純粋で清らかな線となってあらわれています。まったく頭のさがる思いの書です。
 
 みなさんも手習いをするときは、まず第一に正しいまじめな気持で書くこと、第二はどんな簡単だと思われるような字でも、真剣にまごころをこめて書いてください。この二つの心がけを忘れずに手習いすれば、必ず字は上達しますし、おのずと人間としても成長してゆくものです。どうか精進してください。

東京教育学院 [ペン字手習い]

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