友情について
よい友情をむすぶのは青春時代です。青春時代は人間が人間になるため生まれ変わる時期で考えることを始め、本当の人間となる過程です。人間は、神と四足動物との間に存続する二足動物として、精神を高く持ち品性を確立して依りよい人間として生きねばなりません。
そして、常に自己と人生と実社会について、疑問をいだき、考えることをしなければなりません。青春時代はこのようなことでの考えに迷いながら精神形成の途上に心は友を求めます。
そしてこの時期に出来た友人こそ真の友人であります。この最も重要な時期に出会った友人がどんなに大切であるか、又、これが将来どんな影響を受けていくか、はかりしれないものがあり、必ずや成人してこの運命の不思議に驚くとともによい友人であったならどのように感謝しても足りないことでしょう。この青春時代の真の友情は、つよい探求心と心の動揺不安が同じような状態にある友人なのですから、むしろ苦痛をともなう場合が多いことです。なぜなら心と心との接触なのですから。しかしこれに耐えなければなりません。このはげしい摩擦によってのみ精神は鍛えられるわけです。最も鋭い眼で自分をみつめてくれる人の存在、自分を否定してくれる人の存在こそ大切なものはないのです。この人こそ本当の友人です。友達がたんなる遊びの友達であったらそれは百害あるのみです。そして自分こそ友達を鋭い眼でみつめてあげられるよう努力をすることです。
又、女性同志の友情は男性同志の友情ほどお互いが理解されないようです。友人のもっている自分の及びがたい長所に対する率直な尊敬。その信頼をたえず持ち続ける誠実、その時々により気分に支配されず、たえず寛大な眼でいたわる温かい愛情が不足しがちのように思えます。女性同志の友情は境遇が似ている場合のみ結び合い、似なくなるとすぐ遠ざかるようです。友情の質をより高くすることに注意しなければなりません。
なお、男女間の友情では、同性間の友情と異なり、同性に対すると全く同じ気持ちや態度で異性に接しうるようなことは不可能かもしれません。しかし互いに友人のため尊敬すべき長所を発見して心から素直に多くを学ぶならば、そこには美しい友情が生まれることでしょう。そしてたとえその友情が恋愛に発展する場合も一向差し支えなく、むしろ最もよい恋愛といえるのではないでしょうか。
このように真の友情は、最も尊いものであり、たんなる遊び友達ボーイフレンドなどの交際が友情ではないことを知らねばなりません。